2013年2月20日水曜日

痛快と言おうか:空港で47億円相当のダイヤ強奪、犯行時間3分



●ベルギーのブリュッセル空港


ウォールストリートジャーナル     * 2013年 2月 20日 11:04 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324903404578314883434463140.html

ブリュッセル空港で47億円相当のダイヤ強奪-数分の犯行

 【ブリュッセル】ベルギーのブリュッセル空港で18日夜、チューリヒ行きの旅客機に乗った29人の客が最後の荷物の運び込みを待っていたところ、武装したグループが飛行機に近づき、ダイヤモンドが入った120以上の荷物を奪って逃げた。
 ダイヤは少なくとも5000万ドル(47億円)の価値があると見られている。

 ベルギー検察当局などによると、襲ったのは8人のグループで、その一部はスイス国際航空の子会社ヘルベティック航空の旅客機の前に機関銃を持って立ちはだかり、コックピット内のパイロットにレーザー光線を当てた。
 その間に他の者たちは地上スタッフを脅して貨物室の扉を開けさせた。

 Ine Van Wymersch検事によれば、犯人は狙った荷物を奪うと数分のうちに逃走。 
 この間に発砲はなかった。
 同検事は
 「周到に準備しており、高度なプロの仕業だ」
と話した。

 強奪は極めて迅速かつ静かに行われたため、機内の乗客やターミナルの人たちは何が起きたのか気づかなかった。
 ブリュッセル空港の広報担当者は
 「現実の生活では予想もできないようなことだった」
とし、
 「まるで映画の中の出来事だ」
と語った。

 航空セキュリティーの専門家たちは、同グループはブリュッセル空港の荷物の動きなどについて詳細な情報を得ていたようで、空港関係者の助けがあった公算が大だとしている。
 このことは、何年にもわたる空港セキュリティーの改善にもかかわらず、空港の多くの従業員が犯罪ばかりでなく、テロの手助けをする危険性に依然さらされていることを示している。

 空港セキュリティーの専門家たちは、今回の堂々たる強奪事件の被害額は過去10年間に欧州の飛行場で起きた事件としては最も高額で、最も劇的だとしている。
 しかし、今のところ何が盗まれたのかはっきりしていないため、推定被害額にはばらつきがある。
 未加工と研磨済みが混じったダイヤの被害額は、アントワープ世界ダイヤモンド・センターによると約5000万ドルだが、別の関係筋は最大3億5000万ドルに上る可能性があるとしている。
 Van  Wymersch検事は推定額を明らかにしていない。

 スイス国際航空は声明で、グループはダイヤなど機内の
 「価値あるものを狙ったことは明らかだ」
としている。
 同社によると、フォッカー100に搭乗していた乗客と4人の乗務員にけがはなかった。

 同検事の説明によると、現地時間の18日午後7時47分、警察車両と同じ青ランプを付けた2台の黒い車が、荷物を運び入れ始めたばかりの旅客機に近づいた。
 関係筋によれば、犯人グループは、10フィート(3メートル)のフェンスとコンクリートブロックで守られている空港の一部が、建設の具合によって、容易に通り抜けられることを知っていたようだ。
 このフェンスは、通常ベルギーの治安部隊が使っているアウディA8とメルセデス・バンが空港につく前に切り開かれていたという。
 犯人は警備員の巡回の合間にここから空港内に侵入したようだ。

 犯人はその後じっと待ち、貴重品が武装警備員に守られたトラックから機内に運ばれたとの報告を聞いて仕事に取り掛かった。
 彼らの空港警察官としての変装ぶりはその腕章に至るまで正確だったという。

 Van Wymersch検事は犯行に使われたと見られる1台の車がその後、完全に焼かれた形で発見されたと述べるとともに、
 「現時点では、あらゆる可能性を念頭に捜査している」
と指摘した。

 英保険会社ヒスコックスの美術品部門のトップ、ロバート・リード氏は、この強奪事件はその大胆さや犯人の数などで異例だと述べた。
 数百件に上る窃盗・強奪事件での保険金請求を調査してきた同氏は
 「8人の武装グループはミニ軍隊とも言える」
とし、グループ編成担当者や見張りも含めた、犯行に関係した全ての人数は20人程度になるのではないかと見ている。

 ブリュッセル空港は、宝石・貴金属の世界的マーケットがあるアントワープへの出入り口だ。
 世界ダイヤモンド・センターによると、アントワープでは毎日2億ドル相当のダイヤが出入りしており、その約99%までが毎週何回かに分けて同空港経由で動いている。



CNNニュース 2013.02.20 Wed posted at 09:57 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35028462.html

空港で47億円相当のダイヤ強奪、犯行時間3分 ベルギー

(CNN) ベルギーのブリュッセル空港で18日、滑走路に武装グループが侵入し、原石を含むダイヤモンド5000万ドル(約46億8000万円)相当を奪って逃走した。

 ダイヤはチューリヒ行きのスイス国際航空機の貨物室に積み込まれるところだった。
 当局の調べによると、同日午後8時前、2台の車に乗った容疑者8人がフェンスを破って侵入し、操縦士や副操縦士、警備要員らに銃を突きつけて脅した。容疑者らは警官のような服装だったという。
 グループは発砲せずにダイヤを奪い、侵入した時にできたフェンスの穴を通って逃走した。

 空港の報道担当者は、ダイヤが3分間のうちに奪い去られたと語り、
 「非常に正確で、軍事作戦のような犯行だった」
と述べた。

 襲われた旅客機には乗客約20人が搭乗していたが、負傷者は出なかった。
 同機にダイヤが積み込まれることを犯行グループがどうして知っていたのかは不明だ。
 ダイヤとともに金やプラチナが盗まれたとの情報もあるが、確認されていない。

 ブリュッセルから約40キロの郊外にはダイヤモンド取引で知られる都市アントワープがある。
 2003年には取引所で100以上の金庫の中身が盗まれる事件が発生。
 この時のダイヤはいまだ回収されていない。



NHKニュース 2月20日 5時36分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130220/k10015636171000.html

47億円ダイヤ強盗 組織的な犯行か



ベルギーの首都、ブリュッセルの国際空港で、航空機に積み込もうとしていた総額5000万ドル(日本円で47億円相当)の大量のダイヤモンドが、武装したグループによって奪われ、警察では犯罪組織による計画的な犯行とみて調べています。

 ブリュッセルの警察によりますと18日夜、2台の黒い車がブリュッセルの国際空港のフェンスを壊して空港の敷地内に侵入し、駐機場で荷物の積み込み作業が行われていた航空機に横付けしました。
 車には、覆面をした8人のグループが乗っていて、作業員らに銃を突きつけて脅し、ダイヤモンドの入った容器およそ120個を奪って逃走したということです。
 盗まれたのは、世界的なダイヤモンド取引の中心地であるベルギーのアントワープからスイスに運ぶ予定だったダイヤモンドで、被害総額は5000万ドル(日本円でおよそ47億円)に上るということです。
 ダイヤモンドの盗難事件としては今回の被害額は、ここ数年で最大規模とみられています。
 犯行グループは、警察の制服のような服を着て警察官を装い、マシンガンなどで武装して、わずか数分間で奪ったということで、警察では、犯罪組織による計画的な犯行とみて調べています。
 この事件について、アントワープにあるダイヤモンドの業界団体は、
 「厳重な警備がしかれているはずの空港の敷地内に、武装したグループが簡単に侵入して犯行に及んだことは極めて遺憾だ」
として、空港の警備に強い懸念を示しました。

■「警備の想定を超えた」

 今回の事件についてブリュッセル国際空港の管理に当たっている会社の広報官はNHKのインタビューに対し、
 「ブリュッセル空港は、国際的な空港警備の基準を満たしているが、今回の事件は武装したグループによる組織的な犯行で、われわれの想定を超えるものだった」
と話しています。

■過去にも高額の宝石盗が

 ヨーロッパでは、これまでにも日本円で数十億円から100億円相当の宝石が奪われる事件がたびたび起きています。
 今回、事件の起きたベルギーでは、2007年にも北部の都市、アントワープの銀行で、総額2100万ユーロ(日本円で26億円相当)のダイヤモンドが盗まれています。
 またフランスでは2008年、パリの高級宝飾店が犯罪グループに襲われてダイヤモンドなどを奪われ、被害総額は8500万ユーロ(日本円で106億円)に上りました。
 このほか、オランダの首都、アムステルダムでは、2005年に、空港で航空会社の車が襲われ、7500万ユーロ(日本円で94億円相当)のダイヤモンドなどが奪われました。

 一方、日本では2004年、東京・銀座にある宝石店が、ヨーロッパを中心に強盗を繰り返してきた犯罪グループ、「ピンクパンサー」に襲われ、35億円相当の宝石が奪われる事件も起きています。